すごい文庫本を読んでしまった。
今年、映画にもなった「でっちあげ」
20年前に起きた事件の真相を書いたノンフィクション本。
怖い。背筋が寒くなりました。
(ネタバレになりますが)何が怖いって、学校側にクレームを入れて事件をでっちあげている母親は
お金などが目的ではなく自分が作り上げたストーリーが事実だと思い込んでいる点。
すりかえ、思い込み、投影、妄想、いろんな専門用語が出てきそう。
本人は教師を陥れようというより、子どもを守るために必死になり必死になることで
心の安定を保っているというか生きがいになっている、ような。
だからこそ、タチが悪い。手に負えない。
学びとしてはやってもいないことを「やりました」と認めては
絶対にいけない、ということ。
たいしたことでなければつい謝ってしまったほうが簡単だし丸く収まるし
早くこの場を収めたい、みたいな心理が働いてしまうの分かります。
でもこれがあとあと裁判で大変な後悔につながっていく。
でっちあげた母親は病気の側面が強いけれど、対応した校長、教頭が最低でした。
でも背景にあるのは保護者が強く、学校側が弱いという社会的立場。
本当にいろいろ考えさせられる作品でした。
とちゅう、読んでいて気分が悪くなりそうだったけれど
本当にあったことだし、と思い頑張って読んだ。
学校の先生ってすごい職業ですね。
こんなとんでもない親に当たりとんでもない目にあった人もいて
大変な仕事だとは思うけど
尊い仕事だと思いました。

