坂田佳子さんという女性の話。
大阪の西成区の公園でライブをしたりする歌手。
破天荒で破滅型タイプのかた。
人情味があり、路上生活者のような弱者に元気を与え
生きる力を歌で与えているかた。
とても熱心なファンもいて
「がんなので坂田さんの歌から生きる希望をもらっている」という。
誰もが知る歌手ではないけれど、
お酒飲んで喧嘩してなんだかハチャメチャだけど
人の心に響く歌手であり、響く人なのでしょう。
品行方正じゃないから、人間らしいからこそ響く。
「落ちたらええ!、男も女も!」
と彼女は叫んでいる。
魂の叫び。
かつては歌手として成功しそうな勢いだったらしいですが
お酒で台無しにした。
けれどそれでこそ、公園にいるオジサンたちや病気の人の
手の届くところにいて同じ目線でいられるのかもしれない。
お酒で台無しにしていなければスターになっていたかもしれないけど
公園で歌うなんてことはなく、公園のオジサンや病気の人も
目に入らない歌手になっていたかもしれない。
「酒だけはあかん、これは魔物」と彼女は言っていた。
アル中と闘っている、というようなことも言っていた。
朝から飲んでいたり人と喧嘩してトラブルになったり
仕事、人間関係が破綻するというのは典型的なパターン。
不器用で誤解されやすい人。
でも憎めない人間らしい人。
一番印象的なのは、がんの人が「がんの友だちのために作った歌を歌って」
と、坂田さんにリクエストして、歌い終わったあと
「あんたが、がんか。大丈夫や」
と言っていた場面。
優しく、温かい言い方、表情、言葉。
すてきな人だなと、思いました。


